助成金概要
キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)は、正社員と有期契約労働者等で共通する諸手当を新たに設け、適用した場合に支給されます。
有期契約労働者等…雇用期間の定めがある労働者(有期契約労働者)及び、雇用期間の定めはないが正社員ではない労働者(無期雇用労働者)のこと
同一労働同一賃金への対応として、正社員とその他の労働者の賃金格差是正のため、手当の見直しを検討している会社などで使える可能性のある助成金です。
この助成金で共通化するのは諸手当で、基本給については共通化しなくても助成金の対象となります。
なお、基本給の賃金テーブルを共通化した場合はキャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)の対象となる場合がありますので、合わせてご確認ください。
支給額
中小企業 | 中小企業以外 |
---|---|
38万円<48万円> | 28万5,000円<36万円> |
※ 支給は1度限りです。
※ 共通化の対象となった有期契約労働者等が2人以上いる場合、20人まで次の金額が加算されます。
対象者1人あたり:15,000円<18,000円>(中小企業以外:12,000円<14,000円>)
※ 共通化した手当2つ目以降について、次の金額が加算されます。
手当1つあたり:16万円<19.2万円>(中小企業以外:12万円<14.4万円>)
※ <>内は生産性要件を満たす場合の金額です。生産性要件についてはこちら。
申請までの流れ
①キャリアアップ計画の作成・提出
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた今後のおおまかな取り組みイメージを計画・作成し提出。
②諸手当制度の共通化の実施
正社員と有期契約労働者等の共通の諸手当制度を規定し、実際に適用。(詳しくは後述)
共通化したことで、正社員、有期契約労働者等ともに賃金(基本給・諸手当両方)が減額している場合は対象となりません。
共通化したら適用後の労働条件を記載した雇用契約書及び労働条件通知書を必ず交付しましょう。
③諸手当制度共通化後、6ヵ月経過
諸手当制度を共通化する前3ヵ月間、諸手当制度を共通化した後6ヵ月間在籍している有期契約労働者等が一人もいなければ申請できません。そのため、共通化後の6ヵ月間の途中で正社員に転換した場合などは1人としてカウントされません。
④支給申請
共通化後6ヵ月分の賃金を支給した日の翌日から2カ月以内に提出。
⑥助成金の受給
審査は半年程度(申請時期、地域により変動)。
対象となる諸手当
助成金の対象となるには以下いずれかの手当を共通化し、一定額以上を支給する必要があります。
※手当名が違っても手当の趣旨・目的が同じであれば対象となります。
- 賞与(ボーナス)
6ヵ月分相当として50,000円以上支給 - 役職手当
管理職など責任のある労働者に対し、役割や責任の重さ等に応じて支給される手当、3,000円/月以上支給 - 特殊作業手当・特殊勤務手当
危険、不快、不健康、その他の特殊な勤務に従事する労働者に対し、その勤務の特殊性に応じて支給される手当、3,000円/月以上支給 - 精皆勤手当
3,000円/月以上支給 - 食事手当
3,000円/月以上支給 - 単身赴任手当
3,000円/月以上支給 - 地域手当
複数の地域に事業所を有する場合に、特定地域に所在する事業所に勤務する労働者に対し、勤務地の物価や生活様式の地域差等に応じて支給される手当、3,000円/月以上支給 - 家族手当(子女教育手当を含む)
3,000円/月以上支給 - 住宅手当
3,000円/月以上支給 - 時間外労働手当(残業代)
割増率を法定割合の下限に5%以上加算して支給 - 深夜・休日労働手当(深夜残業・休日手当)
割増率を法定割合の下限に5%以上加算して支給
基本給・手当の減額はNG
共通化した諸手当制度を適用する前と比べて基本給や諸手当(固定的なもの)を減額すると申請できません。
例えば、新たに設定した共通化後の手当をあるパートさんに支給すると賃金が増額になるとします。増額された手当の分を基本給を減額することで共通化前と賃金総額が同じになるように調整した場合などは申請できなくなります。
また、正社員以外への手当支給の原資として正社員の手当を減額するといったこともNGです。
したがって、日本郵政の手当廃止の対応のような例では助成金の対象とはならないことになります。
FAQ
- Q複数の雇用形態の労働者がいるけど全ての労働者を共通化しないといけないの?
- A例えば、正社員、契約社員、パートの3区分の労働者がいるなら、基本的には全ての労働者で共通化して支給する必要があります。
- Q正社員とそれ以外の労働者で手当の金額が違っていてもいいの?
- A同額又は同一の算定方法で支給する必要があります。
お問合せ
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